先週の日曜日、千代田開発センターで月一の舞いが行われました。今回のテーマは、「-神楽歴史物語 義経伝説-」です。源義経は悲劇の英雄として多くの伝説が残っていますが、今回はその義経と弁慶の出会いやその生涯までを4団体4演目でご紹介していきます。それでは、報告です。


都治神楽社中「弁慶」
みなさんもご存じかもしれませんが、あの有名な武蔵坊弁慶と義経が出会う物語。京で千本の太刀を奪おうと悲願を立てた弁慶。しかし、999本まで集めますが、あと一本ということころで義経と出会います。
神楽のはじめ、弁慶が登場。
腰をずっしりと落し、ゆっくりと舞う弁慶の姿は迫力満点。また、長刀を持ってぐるぐると回転させる姿は豪快でした。
力強さと重みのある舞いで、無敵の弁慶という風格が伝わってくるようでした。そして、いよいよ弁慶と義経が出会う場面。千本目となる太刀、義経の太刀を奪おうと弁慶は義経に襲い掛かります。
しかし、どんなに長刀を振り回しても、ひょいひょいっと義経は簡単によけていきます。
写真でも分かると思いますが、義経の見事なジャンプ。激しい立ち合いにもかかわらず、何度も高いジャンプを繰り返す身軽な義経の様子におもわず見とれてしまいました。



上本地神楽団「壇の浦」
長門国(ながとのくに)赤間関壇の浦、現在の山口県下関。平家が遂に滅亡に至ってしまう最後の戦いです。見どころは、母である二位尼 平時子とその息子、新中納言 平知盛(たいらのとももり)の別れの場面。遂に義経軍に敗れ、平氏一門の終焉のとき。「見苦しいものを取り清め給え…」と言う知盛の言葉にすべてを悟った二位尼。
そして、安徳天皇を抱き、「波の下にも都あり」と海に身を投じていきます。無念と悲しむ知盛の姿にそっと手を差し伸べようとするもグッと堪える二位尼の姿はなんとも切なく、舞手さんの迫真の演技に心打たれてしまいました。
そして場面はクライマックス、知盛と義経の合戦。どんどん激しくなる戦いは迫力満点。
しかし、激しい戦いを繰り広げるも、知盛は碇を担ぎ自ら海へ身を投げます。「見るべき程のものは、全て見つ。今はただ自害せん」平家の生き様を全て見届けた、今はただ自害しよう…。この言葉には悲しさの中にもどこか満足感があるようにも感じられました。



琴庄神楽団「義経平氏追討」
先ほどの演目、「壇の浦」の後編にあたるお話。壇の浦の戦いにより滅んだ平家一門。しかし、海へと身を投じた平知盛は、その恨みを晴らすべく、怨霊となり再び義経たちに襲い掛かろうとします。先ほど見た壇の浦の前半部分のお話により、この演目の話の流れには、スムーズに入りやすかったのではないでしょうか。
知盛が怨霊へと変わっていく場面。義経軍に敗れ、次々に身を海に投じてった平氏軍。
母、二位の尼も目の前で身を投げ、知盛はさぞかし無念で悔しかったことでしょう。
神楽では、その無念さと海の底で息のできない苦しさとが知盛の表情に表れているようで、こちらまで苦しくなってしまいそうでした。
また、義経たちと怨霊と化した知盛との戦いの場面では、切られても苦しみながらも、何度も襲い掛かる知盛の怨霊に不気味さが感じられました。



川西神楽団「衣川の館(ころもがわのたて)」
源義経、最後の物語。この物語は、川西神楽団さんのあらすじを参考にさせていただくと、壇の浦の戦いで、平家滅亡に活躍した義経はその後、兄 源頼朝によって鎌倉を追われてしまいます。
義経は奥州藤原三代目秀衡(ひでひら)を頼り、平泉の地は衣川の館に安住を求めるも、藤原秀衡死後、源頼朝の命令により衣川の館にて秀衡の息子、泰衡(やすひら)に襲われます。
泰衡の意をくんだ義経は自害の道を選び、弁慶は義経の自害の際、全身に矢を受けながらも、義経の前に仁王立ちし、最後を守ったそうです。
やはり見どころは、立ち合いの場面でしょうか。義経と弁慶、泰衡と弟、衡国の激しい合戦が繰り広げられます。
そして弁慶が義経を守ろうとする場面では、義経を守るため、泰衡らに弁慶一人で挑んでいきます。
歴史の中の弁慶は敵からの攻撃を受けるも立ったまま亡くなったとされていますが、神楽でもその様子が取り込まれていました。
さて、来月は2011広島・島根交流神楽フェスティバル‐神楽の祭典‐が行われます。8月20、21日と二日間連続で行われますが、チケットが異なりますので注意してくださいね。
それでは、来月もお楽しみに★


都治神楽社中「弁慶」
みなさんもご存じかもしれませんが、あの有名な武蔵坊弁慶と義経が出会う物語。京で千本の太刀を奪おうと悲願を立てた弁慶。しかし、999本まで集めますが、あと一本ということころで義経と出会います。









上本地神楽団「壇の浦」
長門国(ながとのくに)赤間関壇の浦、現在の山口県下関。平家が遂に滅亡に至ってしまう最後の戦いです。見どころは、母である二位尼 平時子とその息子、新中納言 平知盛(たいらのとももり)の別れの場面。遂に義経軍に敗れ、平氏一門の終焉のとき。「見苦しいものを取り清め給え…」と言う知盛の言葉にすべてを悟った二位尼。









琴庄神楽団「義経平氏追討」
先ほどの演目、「壇の浦」の後編にあたるお話。壇の浦の戦いにより滅んだ平家一門。しかし、海へと身を投じた平知盛は、その恨みを晴らすべく、怨霊となり再び義経たちに襲い掛かろうとします。先ほど見た壇の浦の前半部分のお話により、この演目の話の流れには、スムーズに入りやすかったのではないでしょうか。









川西神楽団「衣川の館(ころもがわのたて)」
源義経、最後の物語。この物語は、川西神楽団さんのあらすじを参考にさせていただくと、壇の浦の戦いで、平家滅亡に活躍した義経はその後、兄 源頼朝によって鎌倉を追われてしまいます。








さて、来月は2011広島・島根交流神楽フェスティバル‐神楽の祭典‐が行われます。8月20、21日と二日間連続で行われますが、チケットが異なりますので注意してくださいね。



2011,07,26 Tue 23:00
新着コメント
無さんコメントありがとうございます(^O^)
神楽の祭典では二日とも特派員報告する予\定です♪
楽しみに待っててくださいね★
神楽の祭典では二日とも特派員報告する予\定です♪
楽しみに待っててくださいね★
| 特派員N | EMAIL | URL | 11/07/27 21:18 | FxqC11LA |
今度の月一の舞い神楽の祭典では管理人さんは1日目と2日目どちらに行かれますか。ぼくは両方の報告をしてもらいたです。
| 無 | EMAIL | URL | 11/07/27 10:41 | TbAzEWsM |
5月15日(日)、千代田開発センターにて月一の舞いが開催されました。今回のテーマは「神楽歴史物語‐平将門伝説‐」平安時代、承平・天慶年間、関東下総において立ち上がった人物、平将門の生涯を描いた「将門記(しょうもんき)」三部作です。前編・後編・最終編と分けられ、鈴張神楽団・八千代神楽団・下五原神楽団の三団体がそれぞれ保持されています。今回三部作、連続上演は初披露。
また、今回は将門記三部作として共通のアイテム、相馬錦の御旗(そうまにしきのみはた)、宝刀が使われていました。そして、この月一の取りを飾るのは山王神楽団の「滝夜叉姫」。将門の生涯を三部作通して見たことにより、また違う印象、思いが募る演目となったと思います。それでは、お待たせ致しました!報告です。


鈴張神楽団「将門記前編 新皇宣下(しんのうせんげ)」
天慶の乱の発端ともなる物語。下総に大土地を所有する実力者であった将門の父、平良将(たいらのよしまさ)。しかし、将門の叔父である平国香(たいらのくにか)の企みによって良将は討たれてしまいます。良将の命、権力・領地すべてを奪った国香に将門は激怒。
父の仇を討つため、そして領地奪還のため、将門は国香を討ち取りに行きます。
神楽の始まりは良将と国香の立ち合い。良将を倒し権力、領土を乗っ取った証拠として宝刀を奪っていきます。そして、将門の仇討ちが始まります。やはり一番の盛り上がりは、将門と国香との戦い。将門は自分の子供である、五月姫、良門(よしかど)を連れ、国香を一気に追い込んでいきます。激しい立ち回りに白熱した戦い。
その役になりきった舞手さんの表情や激しい舞いにしばし見とれてしまいました。そして、見事父の仇討ちを果たした将門は、宝刀を取り戻し新皇と名のった後、舞台は天慶の乱へと続いていきます。今回私自身初めて見る演目でしたが、とてもわかりやすく、物語の中にスムーズに入っていけたと思います。

八千代神楽団「将門記後編 天慶の乱」
将門が新皇を名のってから朝廷は上へ下への大混乱となっていきます。将門は関東を制圧して独立勢力圏を打ち立てようとしますが、遂に朝廷が将門追討の命令を下します。天慶の乱です。平貞盛(たいらのさだもり)、藤原秀郷(ふじわらひでさと)らの追討軍の攻撃
を受け、新皇を名のってからわずか2ヶ月で将門は討たれてしまいます。先ほどでは正義として描かれていた将門が、今度は立場が違い悪として描かれています。しかし、泣く子も黙る悪者!
だけとして描かれるのではなく、将門たちの宴の最中、訪ねてきた農民にも快く酒を振る舞う様子が表現されており、将門がどういった人物であったのかがわかるような演出もありました。
また、終盤でも悪役と言えどやはり親は親。貞盛たちとの戦火に巻き込ませまいと娘の五月姫を戦から遠ざけ逃がします。
しかし、共に戦った息子、良門が先に討たれると、将門は怒り狂い鬼のような人相へと変わってしまいます。
将門も遂には敗れますが、子を思う親心に切なさも感じさせられる神楽でした。また、立ち合いでは、八千代さんが伝承する「土師調子」と言われる調子で舞う様子もありました。そして物語は、残された将門の娘、五月姫のお話へと移っていきます。


下五原神楽団「将門記最終編 滝夜叉」
天慶の乱で父の将門と兄の良門が討たれ、一人生き残った五月姫。一族を討ち取られたことにより、無念の思いが徐々に怨念として募っていきます。
そして、その思いが次第に貴船明神の社にと足を運ばせ、遂に貴船の荒御霊(あらみだま)から妖術を授かります。
名も五月姫から滝夜叉姫と改め、再び一族返り咲かんと朝廷に背き天下を乱していきます。
しかし、それを朝廷は許しません。再び将門残党征伐の勅命が下ります。
この物語の内容を知ってはいますが、毎回見るたび哀れな将門一族の結末に悶々とした悲しい気持ちになってしまいますね。
しかし、この演目は下五原さんオリジナルの演出もいっぱいで楽しめる要素がたくさんありましたよ。
相馬古御所で、里娘に化けた滝夜叉の色香
に惑わされる光圀の場面。また、光圀と滝夜叉との合戦では、宝刀を使っての二刀流で舞う滝夜叉の姿などなど。他ではあまり見られない演出が見られました。
そしてクライマックス、遂には滝夜叉も光圀らによって敗れてしまう場面。「父上…、兄上…」と御旗をぎゅっと胸に抱き、ゆっくりと昇天していく五月姫の姿に息が詰まるようでした。神楽上演後、司会の方もおっしゃっていましたが、このときの五月姫の気持ちはきっと無念というより、家族の元へといける深い安堵だったことでしょう。


山王神楽団「滝夜叉姫」
いよいよ最後の演目ですね。この演目は広島神楽でも人気の高い演目ですが、今回将門記三部作続けて見た後では、また少しとらえ方、思いが違ってきたのではないでしょうか。みなさんの目にはどのように映ったでしょうか?
一族を討ち取られた無念さ、その無念さから朝廷を憎みそして鬼と化してしまう五月姫。
満願の二十一夜目
、妖術を授かりもう後には引けません。決死の覚悟、それほどまでに五月姫の心は深く傷つき、無念だったのでしょう。
その思いが、山王さんの神楽でも独創的な笛の音と舞手さんの演技によって見事に表現されていました。五月姫の哀れさと儚さに心が痛みました。しかしながら、さすが山王さん。神楽で見せるところはバッチリ見せてくださいます。
徐々に恐ろしい鬼と化す場面や、術が破られ次第に鬼から五月姫に戻る場面で見せる面の早変わりはすばらしく、また、赤い糸や白い糸を使っての派手な演出で会場を盛り上げます。最後の最後まで観客を引き付けてくださいました。


また神楽上演後は、恒例の記念撮影会がありました。協力してくださったのは、最後に舞われました山王神楽団。皆さんしっかり写真を撮られていました。
見に来られたお客さんも最高の思い出となったことでしょう★さて、次回の月一の舞いは6月5日です。テーマは「『壬生の花田植え』と『無形文化財合同まつり』」です。次回は時間が異なりますので注意してくださいね。次回もお待ちしてまーす
♪



鈴張神楽団「将門記前編 新皇宣下(しんのうせんげ)」
天慶の乱の発端ともなる物語。下総に大土地を所有する実力者であった将門の父、平良将(たいらのよしまさ)。しかし、将門の叔父である平国香(たいらのくにか)の企みによって良将は討たれてしまいます。良将の命、権力・領地すべてを奪った国香に将門は激怒。






八千代神楽団「将門記後編 天慶の乱」
将門が新皇を名のってから朝廷は上へ下への大混乱となっていきます。将門は関東を制圧して独立勢力圏を打ち立てようとしますが、遂に朝廷が将門追討の命令を下します。天慶の乱です。平貞盛(たいらのさだもり)、藤原秀郷(ふじわらひでさと)らの追討軍の攻撃









下五原神楽団「将門記最終編 滝夜叉」
天慶の乱で父の将門と兄の良門が討たれ、一人生き残った五月姫。一族を討ち取られたことにより、無念の思いが徐々に怨念として募っていきます。












山王神楽団「滝夜叉姫」
いよいよ最後の演目ですね。この演目は広島神楽でも人気の高い演目ですが、今回将門記三部作続けて見た後では、また少しとらえ方、思いが違ってきたのではないでしょうか。みなさんの目にはどのように映ったでしょうか?









また神楽上演後は、恒例の記念撮影会がありました。協力してくださったのは、最後に舞われました山王神楽団。皆さんしっかり写真を撮られていました。


2011,05,18 Wed 19:46
新着コメント
まりんさんコメントありがとうございます★
今回の報告で、少しでも雰囲気や内容をお伝えできてよかったです(^ ^)
今度は将門記を生で観れるといいですね!
また、月一にもぜひ足を運んでくださいね♪
お待ちしてます(^0^)
今回の報告で、少しでも雰囲気や内容をお伝えできてよかったです(^ ^)
今度は将門記を生で観れるといいですね!
また、月一にもぜひ足を運んでくださいね♪
お待ちしてます(^0^)
| 特派員N | EMAIL | URL | 11/05/20 10:17 | 2ETYRi5g |
初めまして。
初のコメントです。
私は今回の月一は観に行けなかったので、ブログを楽しみにしていました。
将門記と言うことで、非常に興味を持ちました。ブログの内容も分かりやすく、イメージ出来ました。
今度は実際に観てみたいです。
初のコメントです。
私は今回の月一は観に行けなかったので、ブログを楽しみにしていました。
将門記と言うことで、非常に興味を持ちました。ブログの内容も分かりやすく、イメージ出来ました。
今度は実際に観てみたいです。
| まりん | EMAIL | URL | 11/05/19 01:33 | hpdrLgHM |
1月16日、千代田開発センターで月一の舞いが行われました。今月のテーマは「チャリの技‐神楽の中の笑いⅡ‐」です。昨年に引き続き二回目となる「チャリの技」昨年はたくさん大笑いしましたが、今年も会場いっぱいにたくさんの笑いが広がっていました。それでは報告です。


高猿神楽団「悪狐伝」
こちらのチャリはもちろん珍斉和尚さん。登場してすぐ、巧みな話術でお客さんの心をつかみます。
しかし、珍斉さんの「秋も深まり木の葉も積もりたる頃なれば…」といういつものセリフに「今日は雪じゃろ」とお客さんのツッコミが飛び会場は大笑い。
ほかでは、珍斉さんが「君が代」を独唱しながら国旗掲揚をするユニークな姿もあり、楽しい雰囲気が流れていきました。また、狐が珍斉さんを襲う場面。いつもはハラハラ
する場面ですが、狐から逃げた珍斉さんが一瞬消えます。
どこに消えたのかと思っていると、オレンジのマントに手には水鉄砲を持った姿で珍斉さん再び登場。お顔はばいきん○ん!!
(笑)一瞬珍斉さんだとはわかりません。化けるのが得意な狐も珍斉さんの化けっぷりにはびっくりでしたね。



山王神楽団「恵比寿」
今回チャリの技ということでどの演目にもチャリが出てくるはずですが、こちらで登場するのはすべて神様。では笑いは無いのか
というと、そんなことはありません。恵比寿さんが鯛を釣る前に釣ったお菓子
などをお客さんにプレゼントする場面。釣った中にはお菓子以外にも神楽のグッズもあったのですが、恵比寿さんが子供たちにあげようとするやいなや、ちょうだいと言う子供の声に混ざって「そりゃわしにくれ!違う、こっちじゃ」
と楽の方からも声が(笑)神楽となると大人も子どもも関係なくなっちゃいますよね。
そんな場面に思わず口が綻んでしまいました。そして、最後は幸せの種
を皆様にということで餅まきも行われました。大国主命と弁財天も加わり、紅白のお餅をひとりひとりに配られていましたよ。


亀山神楽社中「黒塚」
那須野ヶ原を訪れた法印さんと剛力さん。そこで出会った怪しい女は、実は恐ろしい狐。
法印さんや剛力さんは食べられないよう必死で逃げますが、今日はどこか強気な剛力さん。
逃げつつも狐にちょっかいを出しまくります。しかし、それに怒った狐。
剛力を懲らしめようと掴み掛かります。写真でも分かると思いますが、必死に逃げようとするもなんだか楽しそうな剛力さんの様子。
その姿に思わず笑いがでてしまいます。また、剛力さんは会場に逃げ込んだかと思えば子供を抱えて舞台に登場。一人の子どもは目の前の恐ろしい狐に大泣きです。
最後は親御さんの構えるカメラで記念にパチリ。舞台にあげられた子供たちは、いい思い出となったことでしょう。


大塚神楽団「戻り橋」
大塚さんの戻り橋で、チャリと言えば…やっぱりこの方でしょうか。「えぇ~飴はいらぬか」「飴は安いぞ」という掛声とともに飴を配りながら傘売善兵衛さん登場。舞台に上がってからもお客さんを巻き込みながらのユニークな語りに会場は笑いが止みませんでした。
また極め付けは、茨木童子の化身と善兵衛さんとのやり取りする場面。日が暮れると鬼が出る…と善兵衛さんがいうと「鬼ならここにおるぞ~」と勢いよく鬼の茨木童子が登場。
…のはずが、善兵衛さんすかさず茨木童子にドライアイスを噴射。
「どこじゃ?見えんぞ。見えんぞ。」と茨木童子が見えなくなるほどドライアイスを吹き掛けます。このまま茨木童子をもやっつけてしまいそうな善兵衛さんの姿にお腹を抱えるほど笑ってしまいました。

さて、今回の月一では大雪警報もでるなか、たくさんの方々に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。
中には県を越えて、はるばる来られた方もいらっしゃり、大変びっくりしました。
見るお客様も舞う神楽団の方々も寒さで足など痛かったと思います。本当にお疲れ様でした。
来月はこんなに雪が降ることがないように願いたいですね。来月の月一もどうぞよろしくお願いします。


高猿神楽団「悪狐伝」
こちらのチャリはもちろん珍斉和尚さん。登場してすぐ、巧みな話術でお客さんの心をつかみます。










山王神楽団「恵比寿」
今回チャリの技ということでどの演目にもチャリが出てくるはずですが、こちらで登場するのはすべて神様。では笑いは無いのか








亀山神楽社中「黒塚」
那須野ヶ原を訪れた法印さんと剛力さん。そこで出会った怪しい女は、実は恐ろしい狐。










大塚神楽団「戻り橋」
大塚さんの戻り橋で、チャリと言えば…やっぱりこの方でしょうか。「えぇ~飴はいらぬか」「飴は安いぞ」という掛声とともに飴を配りながら傘売善兵衛さん登場。舞台に上がってからもお客さんを巻き込みながらのユニークな語りに会場は笑いが止みませんでした。





さて、今回の月一では大雪警報もでるなか、たくさんの方々に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。




2011,01,18 Tue 22:23
皆さま、ご無沙汰しておりました。特派員Nです!日々、寒さが厳しくなってきましたが、皆さまお風邪は引かれてないでしょうか?さて、先週の日曜日に千代田開発センターでそんな厳しい寒さも吹き飛ばしてしまいそうな広島・島根交流神楽「月一の舞い」が行われました。今月のテーマは「美女の共演-紅葉狩-」 広島・島根両県の4団体がそれぞれの紅葉狩を披露してくださいました。今回はそれぞれの特徴、個性がお伝えできるよう報告したいと思います。それでは報告です。

八重西神楽団「紅葉狩」
最初の舞台挨拶で団長さんがおっしゃっていましたが八重西さんの紅葉狩は今年から新たな試みをされたそうです。それはいったいなんでしょう…。見に来られた方はお分かりになったと思いますが、なんと鬼女が五人登場します。
酒宴の場面でより華やかに、賑やかにしたいという神楽団の想いで挑戦されたそうです。
最初は鬼女三人で登場しますが、あとから二人が加わります。そのときの会場は感動にも近いどよめきが沸き起こっていました。
そして、酒宴では四人の鬼女たちが交差しながら優雅に舞います。
鬼女が多くいることでいつにも増して華やかさが際立つ、酒宴だったように思います。しかし、華やかさだけが増しただけではありません。鬼が増えた分、恐ろしさもかなり増していました。維茂の背後で鬼と化す場面はぞわっと鳥肌が…。
それ以外に決戦の場面も5人の鬼が大暴れする様子は恐ろしさと威圧感がありました。

有田神楽団「紅葉狩」
能や歌舞伎・謡曲で古くから親しまれてきた演目の一つ紅葉狩。それがここ広島に伝わり、今やひろしま神楽の代表的な演目となっていますね。
そしてどこの神楽よりも能を色濃く残しているのが有田さんの紅葉狩。まず登場するのは鬼女二人。先ほどの鬼女五人登場した八重西さんとはまたガラッと雰囲気が変わってきます。舞いでもゆっくりかと思えば、素早い動きもあり個性的。また、セリフも「是はこの辺りに住む女にて候。げにやながらえて…」とあまり聞きなれないセリフでした。そして能という印象を強く感じさせたのは立ち合いで鬼が持つTの字の棒!能では打杖(うちづえ)と言い鬼、怨霊などが持つ杖だそうです。
その打杖を振り回し、舞台を斜めに使ってのこれまた変わった立ち合いを見せていただきました。
こちらも最後まで目が離せませんでした。

今福神楽社中「紅葉狩」
やはり石見神楽での紅葉狩ということで、皆さん気になっていたのではないでしょうか。私自身も拝見するのは初めてで、とてもわくわくしていました。
約五十年前、先代が広島を訪れた際にそこで舞われていた紅葉狩に感動。そして自分たちの所でも取り入れたいとして台本を手に入れ、一から舞いを作り上げたそうです。そんな深いエピソードがある今福さんの紅葉狩はなんと木こりの木の又権兵衛(きのまたごんべえ)が登場します。時間の都合により省かれることが多い権兵衛さんですが、ここでは大活躍でした。
お客さんを巻き込んで一緒に藁で縄を綯うお茶目な場面もありましたが、特に印象に強く残ったのは立ち合いの場面。チャリといえば途中で鬼などに食べられてしまうというイメージが強いですが、なんとこちらでは最後の最後まで権兵衛さんも維茂さんと一緒に戦い抜きました。
また、維茂の一撃に加えて権兵衛さんも鎌で一撃を食らわす場面もあり本当にユニークでした。

中川戸神楽団「紅葉狩」
中川戸さんと言えばスーパー神楽。そしてその代表的演目の一つに紅葉狩があげられます。いつもブラックライトや火花と、たくさんの仕掛けでお客さんを楽しませてくれますよね。
しかし、今回はその演出が抑え目な感じの印象を受けました。しかしその分、呉葉の表情に注目しながら神楽を楽しむことができたのではないでしょうか?中川戸さんのこだわりは「女の情念」だそうです。源経基(みなもとのつねもと)に抱いた愛憎、怒りなど、それを神楽ではどう表現するか。怒ったときは、「角を生やす」「顔色をかえる」など言いますよね。
それを中川戸さんは演出に取り入れたそうです。あの角がにょきっと出る場面、顔の表情が変わる瞬間、いろいろ出てきますよね。今度また拝見するときは、鬼をじぃ~っと見てしまいそうですね
(笑) あとちょっとだけ。個人的に気になったのが、維茂が降魔の剣を授かる場面でのこと。剣が入っている社に貼ってあるお札の文字がなんと「紅葉狩」
皆さんは気づかれましたかね~
?
さて今回すべてが紅葉狩の演目となっていましたが、それぞれ個性があり大変面白かったですね。
今年も残すところわずかとなりました。皆さま、今年の神楽はたくさん観に行かれましたでしょうか。また、来年も月一や違う会場でお会いできたらいいなと思っています。来年もどうぞ、月一の舞いをよろしくお願いします。



八重西神楽団「紅葉狩」
最初の舞台挨拶で団長さんがおっしゃっていましたが八重西さんの紅葉狩は今年から新たな試みをされたそうです。それはいったいなんでしょう…。見に来られた方はお分かりになったと思いますが、なんと鬼女が五人登場します。








有田神楽団「紅葉狩」
能や歌舞伎・謡曲で古くから親しまれてきた演目の一つ紅葉狩。それがここ広島に伝わり、今やひろしま神楽の代表的な演目となっていますね。





今福神楽社中「紅葉狩」
やはり石見神楽での紅葉狩ということで、皆さん気になっていたのではないでしょうか。私自身も拝見するのは初めてで、とてもわくわくしていました。







中川戸神楽団「紅葉狩」
中川戸さんと言えばスーパー神楽。そしてその代表的演目の一つに紅葉狩があげられます。いつもブラックライトや火花と、たくさんの仕掛けでお客さんを楽しませてくれますよね。





さて今回すべてが紅葉狩の演目となっていましたが、それぞれ個性があり大変面白かったですね。



2010,12,13 Mon 23:45
新着コメント
先週の日曜日、広島サンプラザホールにおいて広島県神楽競演大会が行われました。朝早くからたくさんのお客さまが並ばれ、大会は大変盛り上がっていました。また会場には各地域のブースが置かれ、地域の特産物
などが売られていましたよ♪今回、都合上写真を載せることができませんがそのときの神楽の雰囲気だけでもお伝えできるよう少しばかり報告したいと思います。
三谷神楽団「大江山」
戻り橋、羅生門、大江山と続く三部作最後の物語。そして三谷さんの大江山といえば!?…やはり皆さん、鬼!!と答える方が多いのではないでしょうか?今回の大江山でも独特の声をお持ちの酒呑童子さんが美声を披露してくれました。
源頼光との問答の場面や酒
に酔いしれながら言う口上には度々お客さんから拍手も沸き起こっていました。また、たまたま隣に居合わせたお客さんは「この声がたまらんのよのぅ。」とおっしゃっていました(笑)
今回も大人気の酒呑童子さんでしたね!また、私自身久しぶりに見たせいか酒呑童子さんが着ていた衣装がいつもと変わっていました。ふさふさした毛が豪快についており酒呑童子の厳つさが増したように見えました。
西宗神楽団「天岩戸」
この演目は、登場人物として天照大神、天津児屋根命、天太玉命、宇津女命とたくさんの神様が登場します。こんなに神様が出てくるのはなかなか無い珍しい演目ですね。そして珍しいといえばもう一つ。この西宗さんの岩戸にはもう一人神様が登場します。それは天照大神が岩戸にお隠れになる原因にもなった素盞鳴命です。ここで神話の内容を少し紹介しますと素盞鳴命は天斑馬(あめのふちこま)の皮を剥いで、天照大御神の忌服屋(いみはたや)(神聖な機を織る家)の棟に穴をあけ、堕したという悪さを行ったとされています。
この西宗さんの岩戸ではその場面が登場しており、片手に馬の皮を持った素盞鳴命が天照大神の方へ投げるひと場面があります。いつも見る岩戸ではなかなか見ることがない演出だけにとても珍しいと思いました。
津浪神楽団「塵倫」
塵倫という演目は八調子でも六調子でも舞われる演目ですね。そして津浪さんが伝承されている塵倫は六調子の塵倫。八調子のように派手さはないのですがどこか味わいのある舞いでおくゆかさを感じさせてくれます。神の舞いではゆっくりとした動きにしっかりとした足取りの舞い。しかし落ち着いた舞いを見せたかと思うと力強く早い動きで舞う所もあり、静と動がとてもはっきりとしている舞いでした。そしてこの演目名でもある塵倫の登場では、まず舞台いっぱいに雲が広がると幕の向こうからゆっくりと登場。大きな羽の衣装を身に着け相手を睨みつけながらじわりと舞っていきます。
こちらでも静と動がはっきりした舞いでどっしりとした貫禄のある姿を見せてくれました。
横田神楽団「吾妻山」
いつ見ても思うのですが横田さんの神楽は何もかもが息ピッタリ。
足の動き、手の動き、顔の向きからしてすべてが相手の方と一緒。まるで写し鏡を見ているようで今回の大会でも感心してしまいました。
今回の吾妻山においても卜部六郎季武と那須八郎宗近の息の合った舞い、黒雲童子と赤雲童子の阿吽の呼吸。いかに普段一生懸命練習されているかが伺えるようでした。また一番の盛り上がり所、女性へと化けていた妖鬼がついにもとの鬼へと変わる場面では、素早い早変わりとスピード感あふれる立ち回りで観客を魅了。そして卜部六郎季武たちとの激しいバトルでは、互いが交差する場面や刀とのぶつかり合う様子に気持は高められていきました。見せるとこは見せ、そして舞う所はきっちりと舞う。今回も横田さんらしい舞いを堪能できました。
琴庄神楽団「滝夜叉姫」
この演目も神楽の中では人気の高い演目ではないでしょうか♪この人気の高い演目ですが、さらに琴庄さんの滝夜叉姫には琴庄さんならではの演出が入っていますね。見たことがある方はご存じでしょうが、滝夜叉姫と大宅中将光圀たちとの立ち合いの場面。鬼と成り果てた滝夜叉姫が光圀に襲い掛かるも光圀の力に一度は消沈します。しかしそこからの巻き返しで観客の心、気持ちは高ぶっていきます。ドン!ドン!ドン!ドン!と勢いづくお囃子だけで気分がのってくるにもかかわらず、そこから目にも止まらぬ面の早変わりでさらに拍車をかけ、観客からはどよめきを起こさせます。
そしていよいよ最後は滝夜叉姫からもとの五月姫へと戻るときの二段階の衣装チェンジ。鬼から五月姫に戻りハラリと衣装が変わる姿に興奮しきった会場は拍手喝采、そして大きなどよめきが。
今回この大会一番のどよめきと拍手が沸き起こっていたと思います。
以上報告でした。今回大会の休憩時間には、特別に津浪神楽団が恵比須を行いお客様のために紅白のお餅を配られていました。また、大会終わりにはお楽しみ抽選会などがあり神楽だけでなくこういった来た人には嬉しい催しも行われました。来年も楽しみになりますね。

三谷神楽団「大江山」
戻り橋、羅生門、大江山と続く三部作最後の物語。そして三谷さんの大江山といえば!?…やはり皆さん、鬼!!と答える方が多いのではないでしょうか?今回の大江山でも独特の声をお持ちの酒呑童子さんが美声を披露してくれました。



西宗神楽団「天岩戸」
この演目は、登場人物として天照大神、天津児屋根命、天太玉命、宇津女命とたくさんの神様が登場します。こんなに神様が出てくるのはなかなか無い珍しい演目ですね。そして珍しいといえばもう一つ。この西宗さんの岩戸にはもう一人神様が登場します。それは天照大神が岩戸にお隠れになる原因にもなった素盞鳴命です。ここで神話の内容を少し紹介しますと素盞鳴命は天斑馬(あめのふちこま)の皮を剥いで、天照大御神の忌服屋(いみはたや)(神聖な機を織る家)の棟に穴をあけ、堕したという悪さを行ったとされています。



津浪神楽団「塵倫」
塵倫という演目は八調子でも六調子でも舞われる演目ですね。そして津浪さんが伝承されている塵倫は六調子の塵倫。八調子のように派手さはないのですがどこか味わいのある舞いでおくゆかさを感じさせてくれます。神の舞いではゆっくりとした動きにしっかりとした足取りの舞い。しかし落ち着いた舞いを見せたかと思うと力強く早い動きで舞う所もあり、静と動がとてもはっきりとしている舞いでした。そしてこの演目名でもある塵倫の登場では、まず舞台いっぱいに雲が広がると幕の向こうからゆっくりと登場。大きな羽の衣装を身に着け相手を睨みつけながらじわりと舞っていきます。

横田神楽団「吾妻山」
いつ見ても思うのですが横田さんの神楽は何もかもが息ピッタリ。



琴庄神楽団「滝夜叉姫」
この演目も神楽の中では人気の高い演目ではないでしょうか♪この人気の高い演目ですが、さらに琴庄さんの滝夜叉姫には琴庄さんならではの演出が入っていますね。見たことがある方はご存じでしょうが、滝夜叉姫と大宅中将光圀たちとの立ち合いの場面。鬼と成り果てた滝夜叉姫が光圀に襲い掛かるも光圀の力に一度は消沈します。しかしそこからの巻き返しで観客の心、気持ちは高ぶっていきます。ドン!ドン!ドン!ドン!と勢いづくお囃子だけで気分がのってくるにもかかわらず、そこから目にも止まらぬ面の早変わりでさらに拍車をかけ、観客からはどよめきを起こさせます。




以上報告でした。今回大会の休憩時間には、特別に津浪神楽団が恵比須を行いお客様のために紅白のお餅を配られていました。また、大会終わりにはお楽しみ抽選会などがあり神楽だけでなくこういった来た人には嬉しい催しも行われました。来年も楽しみになりますね。

2010,10,18 Mon 23:23
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